武玉川

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川が休めば水車も眠る ビルのかたちに空が引っこむ あの置いてきた上着がほしい アカミミガメとタートルネック ∧ミシッシッピィでは知られた一族   ウスコさん  ∧神社の池で凍えてないか   館野公一さん   ∧永劫遥かを甲羅で占う   ウスコさん 人魚の女王はヒレ7メーター 風呂に入れと下から雷鳴 財布で踏ん張る諭吉崩壊 ストーブの夏せんぷうきの冬 黄色パンジーばかりの寄せ植え 座らなかった席が取られた 目から取れない大三角形 満月に抱きつき暖をとる  松雪 草さん  ∧お熱いわねと星がひやかす   ∧燃ゆる満月よぞら炎上   松雪 草さん   ∧大地も輝き霜がおどろく  夢の続きをさがしに寝よう 屋根がしろいの線路がくろいの あんまり照らすな動けなくなる とぼとぼスキップがっくりダンス 寒風に星 激しいダンス ∧モーラス貼って今夜も激しく   松雪 草さん  ∧月擦り切れて 暗くなるまで
ルビーの眼した狩人の肩 コートの星をつまんで捨てる 鍬もて人は何を耕す 俄然ねむ気がやる気を凌駕 別れの季節にぬるい雨粒 十九の春の香りを濯ぐ 嘘のよに着なくなる制服 コンクリートに負けたたんぽぽ 桃のひょろっと咲く店のすみ 「陽光うるさい ボリューム下げろ」 道路にとびでて こでまりパンチ くしゃみするたび星が生まれぬ 朝型夜型 出会いと別れ ホームのふちから河童が見てる 葉っぱを埋めよ埋めよとツツジ キッドピクスに花のスタンプ キャッチボールの生垣キャッチ それはもっとも それももっとも 緻密なつくりの蝿が打てない 土が詰まったかたつむりの家 蝶で日差しに動きをつける ∧蝶追う兵士の手そして銃声   ウスコさん 田植機の土 道路で白く レンギョウに雨レモン味落つ 会えないだろうなと傘二本 花開き閉じする駅の前 雨傘と日傘の二刀流   松雪 草さん ∧二天一流武蔵のお出かけ 雨上がりにでた真っ白な虹 そして少女はカマキリを飼う まだ遊ぶ子の声きく飯時 宇宙に届け外で鼻歌 ブーケゲットの人がぽつねん ∧欲しくも無いのに掴んだ手を見る   ウスコさん  ∧塔が見下ろす「次はお前だ」 北側が踏ん張ってドクダミ しょげツツジからハルジオン伸び 散らす風なく散る花もなく 体に染みた掃除の音楽 ニャンコよワンコよ 水でいいのか ケーキ屋嫌いのお馬鹿な左脳 バケツの中でタケノコ泳ぐ 大根おろしに願いをこめて 街はカラスの大きなお皿 後ろへ矜持を垂らす黒髪 キケンの表示で泣いてるあの子 きょう北斎の海が凪いでる 事実をひがめ いかんないかんな 使わぬコップの使いにくさよ いとこの家のお風呂のおもちゃ ラベンダーには休まずブンブン 蚊が付いていく知らないおじさん 羽毛布団を蹴り上げる足 深海魚似の日曜の夜 肘から蜘蛛が垂れ下がってる 蝉が鳴いてる夢見て起きる UFOはたぶん雨の日に来る 寂しがりやが写真を撮った 口内炎のフタを閉じたい 網破られて蜘蛛のなきごえ 夏の気配が窓百連打 スリッパ同士 離れたい夏 軽い子どもは暑さに浮かぶ ねむけで眼窩が埋まらんとする 三色ライトでクラゲを魅せる てりやきという言葉に弱いの ∧煮浸しという言葉にもなの   鉄仙さん   ∧考えりゃやけにのどが渇くな   ∧あらわたくしはつばきが出るわ   鉄仙さん   ∧いづれにしてもビールが欲しいね   松雪 草さん 夏をたがやす麦藁帽子 ただいま暑いよ吠えよエアコン 会えぬアサガオ夏は託した 昼が暗くてアサガオ夜更かし 夏陽にそよげ縦の看板 きゅうり揉みつつテレビに意見 旅でカメラに振り回される うちのキュウリはおばけでないと 毛皮が暑いので脱ぎますね ゴミ箱無くて串持ち歩く 花火の音に飛び出す子ども どこもかしこも木が鳴いている ピアノに本積みコンポに紙積み うちわを探してまだまだ元気 花火の種に綿毛をつける 財布の紐が蕎麦で出来てる 向かいの人がまた眠る駅 ギザギザスプーン何処へ消えたの タオルに?かれてヒリヒリあせも 傷んだ夏をラップで包む 頭痛の中に秒針がある 枕元に飛ぶ本の蝶々 先に見つけた蚊を凝視する パラソル開いて空にわた菓子 グラスの麦茶 光をはなつ 初心者マークもとれて涼風 夏の流しにゃコップのタワー 私はだいどこお前はパソコン 地表ぜんぶが地球の端っこ あっちを向くな茶店のストロー アスファルトに立つ天涯孤独 流星群のニュースと遠雷  物干し竿に夜中の切れ端 手近じゃ本が一番冷たい かやくがお湯につかってました 夏草踏んでつわものが行く 蒟蒻味のゼリーだってば ごはんとみそしる 太陽と月 イヤホン越しでも松本リカ節 明るい内に昼寝から覚め おんなじ道をいくクロアゲハ 蝉たちの夏空が遠のく なんだろうなあ夏心つく 洗ってもらった髪を切っちゃう 強制終了茫然自失 速さも余るビリケツアンカー イヤホンすると鞄が遠い ろくなことにはならん呼び出し 暇だチラシよ箱にでもなれ 書いては消してばかりのMONO書き 嘘が欲しいか真が欲しいか うっちゃりもできずさっぱりもできず ノリノリで文字荒れてく夜中 店の入りたるセブンの抜け殻 40℃と取り留めのないこと 棚はほこりでしっかり固定 昔のわがまま思い身震い 恩人であり仇でもあり 読んだ事ないページを発見 ドアが開いてブラウザ閉じる パリッと割れればいい音の月 香りで名乗り上げる生垣 金木犀十五秒の予告 人の傘見て我が傘たたむ 電線上に台風一過 ぴーと吹かれて笛になる家 まぶた辺りの線香花火 こもれる場所のある有り難さ まだまだ眠れるざまみろ時計  サビ以外ではふんふふふふん♪ 胸やけ中の傘立てに傘 虫は鳴いてもあせもがかゆい 秋のある日に茄子の嫁入り もう動かぬと決めてるバッタ 120%のドット フィルムケースにSDカード 野山の錦しまう箱なし 暗い電球あとは寝るだけ フォルテで生きてピアノでしめる たまの秋晴れからっぽ頭 秋色ツツジに挿すプラカード 地球は青く蜜柑も青い 月の部品を半分無くす 空は高いが星夜は近い 7等分するいちごのことわり 赤血球にそっくりな口 おまえさ今日は出掛けないわけ? 忠犬ハチの駐輪所チャリ 尖ったとこからケーキを食べる 今日も焦燥感がはじまる 貼り出される紙たむろす親子 ドキュメンタリーは皿洗いから 今なら付録の原価を知った 考え事が鍵をなくした 酸いも甘いも受けてる食器 好きだと言った菓子しか出ない 陽はマンションに沈む武蔵野 秋の枯野に次のいのちが 金婚夫婦の意地の張り合い 大福食べて 大福になる ∧チョコ食べ 28度で軟体   ウスコさん 体重計のそばを素通り   松雪 草さん ∧きついズボンは好みじゃないの 視線渦巻く宇宙水槽     豆太さん ∧隠れたつもりの植木鉢のかげ  トーテムポールの上だけ喋る けやきが落とす葉っぱクスクス ラフランスむく指が幸せ 石が取れても大事な指輪 胃に片付けて落ちつくものも 風にまかれて秋が吹き飛ぶ おっかないのは論より標語 食えば食い損食わねば悔い損  2、3わからぬ秋の七草 藪のコスモス枯原の菊 靄の向こうに海があるはず 百マス計算大風に舞う しがみついてる手の平の宇宙 駅が近づくテスト近づく 雲が生まれる高さのホーム 朝までかけるいびきの数は チェリーのような口ばしの鳥 風が電線 掻き鳴らし冬 喋っちゃはよ行け 喋っちゃはよ行け 「あ゛っ」て言わせて勝つゲームだよ 月の御顔を引っ掻く車 電車東京の雨から逃げろ 銅像思う(俺は誰だろ) 邪馬台国の位置で迷子に 優勝カップじゃお茶も飲めない 時差遅れで来るHappySunday☆ 相談事の増える野の鳥 すずめ散らしつ川岸を行く 速く走れぬメロスの一人 バス停遅いが寒いになって どじょっこ見てる川の凍るを 接着剤とクリスマスツリー 虫歯の治療費そっちが出してよ 年を越せないせんたくばさみ 師走の多忙雪積もる爪 速足汗かき迷子はクラリ 打ち明け話にゃ度数が足りない 電話けたたましく鳴る師走 昔はまった占いの本 ひなたぼっこは考える石 空 足 交互に見る帰り道 お気に入りから糸が出てきた 6時にみかんを半分食べる 屋根にのぼって星見る夢想 まくらに謝る通勤電車 ∧物干し台から掴んだ星屑   ウスコさん 空の黒板チョークでさっと 読み切れないけど我が家においで ひとりでいても手袋ふたつ 暮れの支度に子犬のワルツ 半纏を着て月を締めだす 胸張る時計 正月二日 ジャンパー兄弟神社を冒険 やさしくなりたいだなんてまぶしい 胃腸の嘆き口にする母 夜の凧揚げ星に破かれ ウルトラ3分冬の湯上り 記憶によれば錆びた看板 行く先々にマッサージ好き ふぁぼで精神状態を知る 豚がレンガの家で生まれる ちびた鉛筆くまの手で持つ たたんで雪崩れる洗濯の山 ちょっと吊橋までデートしよう 君にまわした腕が空切る ラップ聴いてるダウンジャケット 背中のくたびれ撫でとる機械 ∧背中にかつぶし猫にぞ頼む    岩本隆介さん アナログ時計が前屈後屈 注意書きでも読んでるしかない 敦盛真似る父六十五 タンスの層に化石が眠る  もらったシャー芯折ってばっかり 「書は人なり」か じっと手を見る ため息ついて吸って回収 電話を切ってすぐのブツクサ ふんぞりかえって松の葉みどり 炬燵に入った鬼がソワソワ コタツ肩まで電気に浸かる そう思われてると思われる どの風もみな違うというのか 床(とこ)からうまれて床へとかえる 関東に迷い出る雪男 おでんにんじん太陽が昇る 寒い夜にはからしでのたうつ 三角関係リゲルやきもき 挨拶したら返事がきょとん 爪の間にみかんが残る レンジでピピピピピピピ〜♪て食べて 封筒渡せば眉が接近 コップがコップをくわえる机 良心問われたミカンの分配 樟脳の香り どなたの着物 古紙回収車に積まれた情報 居たくない外見上げたい星 一人の時間は酸素ですから 夜のまぶたに降り積もる雪 ねらった白髪が上手くつかめぬ 重さ無い雨 傘がフラフラ 智将を目指した少年の末路 犬系彼女の悲しげなにゃあ あまりのだるさに地球を潰す 立春の猫こうでなくっちゃ 丸いシチューのなべ月煮込む あの杉山に夕陽が沈む  松雪 草さん ∧天狗の鼻に夢が詰まって 二回叫べばくしゃみとわかる 春というのは手袋になる 雪解水をあつめて一筆 あれはみわくのひだまりベンチ 春でググらず下見て歩く 三階廊下に桜のミイラ 白を背負って桜が消える 赤・白・緑だイタリアざくら 香水嫌いが惚ける桜 演歌さくらを咲かせず散らす




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